創業25周年

今さらですが、わたしはお洋服のクリーニングを宅配するサービスをやっています。近年、「宅配クリーニング」というと宅配便などで全国から衣類を集めるクリーニング会社がありますが、それではなく自分でお客さんのところへ伺ってクリーニング品を預かり、出来上がったらお届けする昔の外交のような業態です。

 

 

今から25年前の1996年(平成8年)10月に今の事業をスタートしました。バブル経済は崩壊していましたが、今から見ればまだまだ景気は良かった頃だと思います(それでも当時は不景気と言われていましたが)

 

 

今は宅配専門ですが、創業当時は日本橋浜町にクリーニング取次店も構えて、持ち込みの受付店舗と集配・配達を併用したショップ&デリバリー形式で展開していました。

 

 

創業する2年前の1994年(平成6年)に、それまで会社員でしたが、脱サラしてクリーニング工場の個人代理店として仕事を憶えました。

 

 

その2年後に、その代理店をしていたクリーニング工場が倒産してしまい、仕方なくというかそこから独立するカタチで、今度は自分の事業として創業することになりました。

 

 

今は会社を簡単に作れますが、当時は一定の資本金を用意できないと会社を設立できなかったため、翌年に法人登記しましたが、開業時は個人事業としてのスタートでした。

 

 

新たなクリーニング工場と業務提携して、同じく倒産で行き場を失った職場のメンバー2人も加わっての船出でした。

 

 

幸いと言っては申し訳ないかもしれませんが、2年間である程度の利用顧客がありましたし(もちろんすべて自分が新規獲得したお客様です)、今は難しいと思いますが、当時はクリーニング店をある程度の場所に開けば、近所のお客さんにご利用いただくことは十分可能でしたので、当初から順調な滑り出しではあったのですが、如何せん資金がないので、その日暮らしは大げさですが、その月の売上金でその月の支払いをするというまさに自転車操業でした。

 

 

それでも、独立起業して自分で事業をするのが昔からの夢でしたので、当時36歳、苦労より希望というか充実感のほうが大きかったと思います。

 

 

当時は、25年後も商売を続けていけるのか、会社は大きくなっているのか潰れているのか、60歳すぎた自分はどうなっているのか想像もできませんでした。というよりも、目の前の案件や今日1日をどうやって乗り越えるか、そんな日々に忙殺されてそんな先のことを考える余裕がなかったのかもしれませんね。

 

 

25年がなんだと言われればそれまでですが、創業から四半世紀、今日はちょっと感傷に浸ってみたいと思いました。